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日々の仕事の備忘録

提案資料を作る際に気をつけている3つのポイント

先日、前にいた部署の後輩から「上手に提案するためのマインドセットは何ですか?」という質問を受けました。

今まで上手に提案できたことは一つもなく、毎度ギリギリ綱渡りだった記憶しかありませんが、せっかく質問してもらった以上、私が普段提案資料づくりの時に気をつけている事について、書いていきたいと思います。

ちなみに、今回は提案の中身というよりも、提案の内容を相手に伝える際の資料の作り方・話し方に焦点を絞って説明していきます。

提案資料には難しい用語・わかりにくい表現を使わない

知っての通りWebやIT用語は横文字だらけです。アクセス解析であればページビュー・ユニークユーザー・直帰率という言葉や、製作時にはphotoshopやらJavascriptなど、謎めいたワードが飛び交うこと必至ではないでしょうか。

このような専門用語を駆使した提案は、なんとなくプロフェッショナルな感じがするため、話す方はとても気持ちがよいと思います。しかし一方で、話を聞く側で専門用語を持たないクライアントにとっては「この人の言ってることは、よくわからない...」となり、提案の内容に不安を感じたり、不安を解消するために「ここの(言葉の)意味は何ですか?」という質問が延々と繰り返され、肝心な提案内容について議論する時間がなくなる...となってしまう可能性があります。

そのため、専門用語はできるだけ一般的な言葉に置き換えて説明する、どうしても専門用語を使わないと説明できない場合は、説明や図解などを入れるなど、口頭で説明しなくても理解できる内容を目指して資料を作ります。

さらに、私自身は提案資料を作るとき、難しい漢字は極力ひらがなを使っています。ビジネス資料としての硬さが無くなりますが、相手に伝えるための資料としては、硬さよりもスラスラ読んで理解できるわかりやすさが最も重要だと考えているためです。

資料は正しさを重視。口頭の説明は聞きやすさを意識する。

資料は提案の直前まで作り込みますが、打ち合わせ内で資料の中身をそのまま読み上げることは基本的にしません。相手にあわせて、話し言葉として理解しやすい形に噛み砕いて説明します。

例えばユニークユーザーの数値を説明する場合、資料では「ユニークユーザーが〜」と書きますが、Webの知識が少ない人に口頭で説明する際は「ページに訪れたユーザーの数は〜」という言い方をします。

提案資料は色々な人が読むものであるため、その全てに応えるためには、どうしても説明量が多くなってしまいます。しかし、ビジネス側・マーケティング側の人には技術的な情報は重要視されないですし、技術者相手に話すときはビジネス側の情報の優先度が下がります。

そのため、提案する相手のWeb・ITのリテラシーによって説明の詳細度を変えたり、重点的に話す箇所を変えていくことで、相手が求めてなさそうな情報は省き、必要な情報だけに絞って説明できるように心がけています。

その資料は読み物として面白い内容か?

提案の資料は仕事で作るドキュメントなので、ただ普通に作るだけでは、文章の並んだ面白くない資料になります。分析改善など、データを入れた資料であれば尚更です。

資料を受け取る相手も、いくら仕事とはいえ、データや文字だらけのつまらない資料を読むのは苦痛でしかありません。私達は相手を苦しませるための資料を作っているわけではないので、作り手として「読み物として面白い資料になっているか?」を気にしながら資料を作ります。

具体的な例として、資料レイアウトやグラフの見た目などは必要な要素だけ伝わるように配置・色味などをデザインしたり、事前に資料を音読した上で、説明が長くなる所は言い回しを調整しながら、できるだけ短い説明になるように調整しています。

また「解析データが連続するページが長いと退屈だから、面白い示唆のあるページはこの辺で入れよう」といった、当日の打ち合わせ展開も考えながらページの順序の見直しも行っています。

まとめ

3つのポイントに共通している事として「相手にとってストレスのない内容になっているか?」という事を常に意識して資料作成・説明を行なっています。

そもそも提案は内容が大事!というのはもちろんですが、資料や説明の不足により、相手に不要なストレスを与えてしまい、提案内容にケチをつけられてしまうのは本末転倒です。相手に正しく伝わる資料が作れるようになることが、提案の第一歩となるのではないでしょうか。